こどもの頃に思い込んだまま大人になった自分。
十年ほど前までクサガメが「臭亀」と知りませんでした。
ある時、博物館に行ったら自分の中の「イシガメ」の
標本が展示してあり、そこにクサガメと書いてあったのが
キッカケで数十年もの間違いに気づいたわけです。
暖かくなったのでカメを探しに行くことにしました。
河口付近にわずかに残った湿地帯でカメの楽園。
この水辺は外来種のアカミミガメを入っておらず、
今では外来種扱いですが、クサガメがたくさん棲んでいます。
探し始めてすぐに見つかったのが、これ。
全身まっ黒のクサガメでした。
甲羅も皮膚も黒、瞳も黒めがち、かわいいですよね。
しばらくするとガサガサでこれが捕れました。
お腹の模様を見て、これが同じ種類のカメにはとても見えません。
瞳のラインもまったく違い、目元から首筋の柄がワイルド。
まっ黒な子ガメ、ワイルドな柄の子ガメ、2匹ともクサガメで
その証拠に鼻にツンとくる臭さはまったく同じです。
実はクサガメは初めはすべてワイルド柄ですが、
オスは黒化(メラニズム)という変化を起こし、
全身が黒くなります。
瞳もまっ黒になるので顔つきまでガラリと変わります。
アカミミガメでも黒化が起きることを最近知りました。
この動画で自分が「クサガメ」としているのは
アカミミガメの間違いでした。首筋に赤い点がなく、
ワイルドな模様なので迷わず「クサガメ」としましたが、
これが黒化したアカミミガメのオスでした。
クサガメと黒くなったアカミミガメを見分けるポイントは爪。
クサガメは小粒で上品な爪ですが、
アカミミガメは長くてワイルドな爪を持っています。