2019年6月6日木曜日

【解説ブログ】元気なメダカを育てる秘訣はトンボ、ヤゴ、ワラ?

屋外の大型水槽で飼育しているメダカは

地元の水辺で採れたキタノメダカ


メダカが元々棲んでいた環境に近づけるために

水辺の土手に生えていた植物もいっしょに採ってきて

水槽の小さな島に植えています。

ここで10年近く、メダカを飼育していますが、

今のところはとても元気に育っています。

産卵期に入る頃、いけすに移すのですが、

メダカを集めるために水槽の中をガサガサすると

必ず見つかるのがギンヤンマのヤゴ。



この時もすぐに見つかりましたが、

ちょうど横の水槽で一匹が羽化していました。



毎年、4~5匹が水槽から羽化しますが、

一体、何匹のメダカが喰われるのでしょうか?

メダカの産卵期は5月から7月ですが、

この間に羽化して飛び去るギンヤンマもいれば

水槽に卵を産みに来るものもいます。



メダカ好きにはトンボやヤゴはちょっと遠慮してほしい存在。

この水槽でメダカを飼い始めたころは

ネットをかけてトンボが産卵しないようにしたり、

ヤゴが見つけたらすぐにまわりの土に捨てていました。

たまたまある時、メダカにくわしい方の話を聴く機会があり・・・

ヤゴに喰われるメダカは弱っているものが多いんですよ。

また、メダカは奇形が出やすい魚ですが、奇形のメダカは

泳ぎが下手なのでヤゴに喰われてしまうんです。

天敵のヤゴがいることで弱いメダカや奇形のメダカが減って

元気なメダカが生き残るんですね。

この話を聞いて以来、

トンボが卵を産みに来ても追い払わない、

ヤゴが見つかってもそのままにしておく、

天敵と共存できる水槽に方向転換。

今のところはメダカは元気で体も大きく、

また、水槽の大きさにあった数に増えています。



メダカを繁殖させる際に難しいのがもう一点、

ふ化してから1~2週間のエサの準備。

卵をふ化させるのは難しくありませんが、

ふ化から成長するメダカは意外に少ないものです。

針子と呼ばれる小さなメダカはワムシゾウリムシ等、

ミジンコよりも小さな微生物を食べるのですが、

このエサをタイミングよく発生させるのが難しく、

エサを喰えなかった針子は死んでしまいます。

鶏糞を入れたり、抹茶の粉を入れたり、

ワムシやゾウリムシを発生させるのに

いろいろ試してみたのですが、今のところ最も良いのがワラ



今回のワラは去年の秋、ミジンコがわいていた田んぼから


稲株ごと引き抜いて一冬、雨ざらしにしたものです。



卵の着いた産卵床といっしょにワラを入れておくだけ。

これで生き残る稚魚が以前より増えました。

トンボ、ヤゴ、ワラ。

これが元気なメダカを育てる秘訣かもしれません。


🐟