地元の水辺で採れたキタノメダカ。
メダカが元々棲んでいた環境に近づけるために
水辺の土手に生えていた植物もいっしょに採ってきて
水槽の小さな島に植えています。
ここで10年近く、メダカを飼育していますが、
今のところはとても元気に育っています。
産卵期に入る頃、いけすに移すのですが、
メダカを集めるために水槽の中をガサガサすると
この時もすぐに見つかりましたが、
ちょうど横の水槽で一匹が羽化していました。
毎年、4~5匹が水槽から羽化しますが、
一体、何匹のメダカが喰われるのでしょうか?
メダカの産卵期は5月から7月ですが、
この間に羽化して飛び去るギンヤンマもいれば
水槽に卵を産みに来るものもいます。
メダカ好きにはトンボやヤゴはちょっと遠慮してほしい存在。
この水槽でメダカを飼い始めたころは
ネットをかけてトンボが産卵しないようにしたり、
ヤゴが見つけたらすぐにまわりの土に捨てていました。
たまたまある時、メダカにくわしい方の話を聴く機会があり・・・
ヤゴに喰われるメダカは弱っているものが多いんですよ。
また、メダカは奇形が出やすい魚ですが、奇形のメダカは
泳ぎが下手なのでヤゴに喰われてしまうんです。
天敵のヤゴがいることで弱いメダカや奇形のメダカが減って
元気なメダカが生き残るんですね。
この話を聞いて以来、
トンボが卵を産みに来ても追い払わない、
ヤゴが見つかってもそのままにしておく、
天敵と共存できる水槽に方向転換。
今のところはメダカは元気で体も大きく、
また、水槽の大きさにあった数に増えています。
メダカを繁殖させる際に難しいのがもう一点、
ふ化してから1~2週間のエサの準備。
卵をふ化させるのは難しくありませんが、
ふ化から成長するメダカは意外に少ないものです。
針子と呼ばれる小さなメダカはワムシやゾウリムシ等、
ミジンコよりも小さな微生物を食べるのですが、
このエサをタイミングよく発生させるのが難しく、
エサを喰えなかった針子は死んでしまいます。
鶏糞を入れたり、抹茶の粉を入れたり、
ワムシやゾウリムシを発生させるのに
いろいろ試してみたのですが、今のところ最も良いのがワラ。
今回のワラは去年の秋、ミジンコがわいていた田んぼから
稲株ごと引き抜いて一冬、雨ざらしにしたものです。
卵の着いた産卵床といっしょにワラを入れておくだけ。
これで生き残る稚魚が以前より増えました。